サーキュラー経済(エコノミー)やSDGsという言葉を最近、よく目にします。
2020年のノーベル平和賞に、国連世界食糧計画(WFP)が選ばれたのも、こうした持続可能な地球への希求が高まっていることのあらわれです。
サーキューラーエコノミー=循環型経済
人間は、自分たちの経済システムを変えることはできるが、それを受け入れるようになるには、さまざまな条件をクリアしなくてはなりません。 循環型経済についての現代人が持つ懸念は、環境問題を含め、こうした循環について、どのように見るように教育されてきたかと、密接に関係しています。
もし現代人が自分の周辺の経済が循環していると見るように教育、訓練されてきたのであれば、この古くて新しいテーマを受け入れられる条件づけがされていることになります。
例えば、様々な生活のまわりにある「モノ」が輪になって動いていて、その連環で完結していると言われた場合、この概念をすっと受け入れ、馴染めるか、いわば国民性の問題でもあります。
循環型経済は、ある意味で、禅や「江戸しぐさ」(これが江戸時代的に史実かよりも現代的な倫理観として)など、日本人にとってすでになじみがある考えですが、アメリカや中国の消費型の人々が、そのようなものの見方をできるか、腑に落ちるかは、疑問が残ります。
トランプ大統領のようなアメリカ人が、もし、経済システムは循環できると言われたら、強くこの考えを拒否することでしょう。 ましてや、「循環型経済は今の経済システムよりも優れている」と言われたら、なおさら拒否反応は強いことでしょう。
つまり、現代人は、経済や環境に対してどのように見るように条件付けされているかによって、循環型経済を受け入れるか否かを決めるのです。 それは、自分で決めたものではなく、別の力が働いているといってもいいでしょう。
そこで生まれた新しいまっさらな「言葉」が、SDGsやサーキュラー・エコノミー、クローズドループ、なのです。
要は、資源を大切に、ごみを出さずに、リサイクルしましょう、ということに過ぎない。「ISO」認証などすでに通った道ながら、あらたに「サーキュラーエコノミー認証」という、新ビジネスもうまれようとしています。
何しろ、サーキュラーエコノミーという言葉は、コンサル会社のアクセンチュアが広めようとしている言葉だからです。
だからといって、世界的な潮流のこの流れに、日本が乗らない選択肢はない。
むしろ優位性がもてる産業分野でもあります。「サーキュラー・エコノミー」を学ぶことは、これからのビジネスマンには必須となるでしょう。ただ、繰り返しますが、日本人は「循環型経済」という概念は脳にインストール済みなので、横文字だからと避けずに、学んでおきたいテーマです。