【10月10日文化財ニュース】秘仏開帳、大徳寺展いよいよ来週から

【2026年10月10日(土) 上野のカフェ 午後】

エミ:「今日から三連休ね。文化財ニュースは6本あるけど、そのうち5本が秘仏やお寺からみよ」

サキ:「秘仏といえば、夏の東博の「空海と真言の名宝」展で盛り上がったね」

1 京都・正寿院の秘仏・十一面観音の胎内から巻物が見つかる

サキ:「秘仏の仏像の中から、巻物が見つかったって?」

エミ:「そう。京都府宇治田原町うじたわらちょうの正寿院しょうじゅいんの本尊、十一面観世音菩薩じゅういちめんかんぜおんぼさつの胎内からなの。高さ約60センチの木造で、鎌倉時代後期の作と推定される秘仏よ」

サキ:「どういうきっかけで見つかったの?」

エミ:「今年1月に修復に預けていたのね。8月に、修復していた仏師から『胎内に巻物が入っている』と連絡があったんですって」

サキ:「修理に出していなかったら、気づかなかったかもしれないね」

エミ:「巻物は高さ約30センチ、直径約5センチ。観音の絵が描かれた94枚の紙の束に包まれるように、墨書ぼくしょの文書が1枚入っていたの」

サキ:「94枚も!お寺の人も知らなかったの?」

エミ:「お寺の関係者も驚いたとコメントしているわ。しかも昨年は、50年に1度の開扉の年だったんですって。ただ、内容と制作の時期は、今後正式な調査を依頼する予定で、まだわかっていないの」

サキ:「誰が、何のために納めたのかも、まだなんだね」

エミ:「ちなみに正寿院は、重要文化財の快慶かいけい作・不動明王坐像ふどうみょうおうざぞうでも知られるお寺よ」

出典:ABCニュース(Infoseek・新発見)/ABCニュース(Infoseek・発見)


2 福島・医王寺の秘仏・薬師如来が約110年ぶりに開帳

サキ:「次は福島。『鯖野さばのの薬師様』って呼ばれてる秘仏が、医王寺いおうじで開帳されたんだって」

エミ:「そう。福島市飯坂町いいざかまちにあるお寺で、開基1200年の節目に、薬師如来やくしにょらい像が開帳されたの。大正時代の中ごろ以来、およそ110年ぶりよ」

サキ:「110年ぶりって、すごい時間だね」

エミ:「両脇には日光・月光菩薩、周りには十二神将が配されていて、そのうち7体が公開されたみたいね」

サキ:「どういうお寺なの?」

エミ:「寺伝では、天長3年(826)に弘法大師こうぼうだいしが薬師如来を勧請して草庵そうあんを建てたのが始まりとされているの。ここは伝承ね」

サキ:「なんで、このお寺が有名なの?」

エミ:「奥州藤原氏の一門、佐藤一族の菩提寺ぼだいじで、源義経に仕えた佐藤継信さとうつぐのぶ・忠信兄弟のお墓があるの。佐藤忠信は歌舞伎『義経千本桜』の”主役”源九郎狐が化けたという物語があって、松尾芭蕉も訪れた、聖地なのよ」

出典:福島民友/福島民報


3 大津市歴史博物館で平安時代の三尊が27年ぶりにそろう

サキ:「滋賀県の大津市では、平安時代の三尊がそろうんだって?」

エミ:「そう。10月10日から始まる企画展『未来へつなぐ 大津のたから』で常信寺の重要文化財、釈迦如来しゃかにょらいと両脇侍りょうわきじ像の三尊が、27年ぶりにそろって展示されるの」

サキ:「ほかには、どんなものがあるの?」

エミ:「明智光秀が豪族に送った書状しょじょう、膳所城ぜぜじょう周辺の古地図、明治の大津事件の資料もあるわ。大津事件は1891年、ロシアの皇太子が襲われた事件ね」

サキ:「大津市の文化財保護条例ができたのは1963年なんだ。そこから60年の歩みなんだね」

出典:京都新聞/公式:大津市歴史博物館


4 鳥取の重文・仁風閣の大改修で「想定以上の傷み」

サキ:「鳥取の仁風閣じんぷうかくって、大正天皇が泊まったところって書いてあるね?」

エミ:「そう。1907年に建てられた明治の洋風建築で、旧鳥取藩主池田家の別邸なの。皇太子時代の大正天皇が宿舎として使ったのよ。1973年に重要文化財に指定されたわ」

サキ:「その仁風閣が、今まさに大改修中なんだ」

エミ:「2024年度から5年間の予定で、50年ぶりの大改修をしているの。その途中で、柱や梁はりなどの構造材に、想定以上の傷みが見つかったのよ」

サキ:「どこが傷んでいたの?」

エミ:「1階と2階の間の『腰』と呼ばれる部分で、雨水が入り込んで腐食が進んでいたの。あと、最近の定番の追加情報だけど、市教委は工期の延長と事業費の追加を検討していて、当初の7億3,800万円から増える見通しよ」

サキ:「建築費は高騰してるからね」

エミ:「あと調査で、完成当初の外壁は『白亜色』、クリーム色に近い色だったとわかったんですって。今の純白から、往時の色に戻すそうよ。壁紙も、保存されていたサンプルをもとに、草花の図柄を復刻するんですって」

サキ:「大正ロマンの建物として完成が楽しみだね」

出典:読売新聞


5 奈良・薬師寺の秋の特別公開、金堂復興50周年

エミ:「奈良の薬師寺で金堂こんどうの復興(昭和51年)から50周年を記念した秋の特別公開『よみがえる白鳳はくほう』が始まるの。期間は10月24日から11月8日まで」

サキ:「白鳳って、奈良の前の時代の美術の呼び名だっけ?」

エミ:「そうよ。飛鳥時代後期のことを美術史では白鳳って呼ぶことが多いわね。戦国時代後期を桃山時代と呼ぶみたいな。見どころは、国宝・東塔の水煙すいえんが、寺内では7年ぶりに特別公開されること。水煙は、塔のてっぺんの飾りね。たしか去年、大阪市立博物館がリニューアルオープンしたときに撮影可で展示されていたはず」

サキ:「戦国末期に造られた旧金堂の遺構も、初公開なんだって?」

エミ:「そう。ほかにも、鎌倉時代の天武天皇像、伝・豊臣秀吉の念持仏ねんじぶつである摩利支天まりしてん坐像、織田信長・豊臣秀吉・羽柴秀長の書状なども並ぶの」

サキ:「国宝の東塔と、復元された西塔の初層を特別に開けてくれるんだよね?」

エミ:「9時から16時半まで特別開扉されるの。ただ、塔の中には入れなくて、外からの拝観になるわ。西塔は時々中に入れることがあると記憶しているけど」

サキ:「入れないのは残念だけど、国宝の建物の中を外から見られるだけでもありがたいね」

エミ:「特別公開券は大人1,000円、中高生500円、小学生100円で、通常の拝観料は別途必要よ。11月7日と21日には夜間特別拝観もあるわ」

出典:公式:薬師寺 秋の特別公開「よみがえる白鳳」


6 大徳寺展が10月14日、東京国立博物館で開幕

サキ:「大徳寺だいとくじって、京都の大きな禅寺だよね?」

エミ:「そう。今年は開創かいそう700年で、東京国立博物館で記念の特別展『大徳寺 本朝無双之禅苑』が10月14日に開幕するの。この秋、日本美術の展覧会では大注目ね」

サキ:「来週の水曜日だね」

エミ:「国宝14件、重要文化財69件が並ぶのよ。大徳寺の寺宝がひとつの会場にそろうのは41年ぶり、東京では初めてなんですって。大徳寺展は、大得な展覧会よね」

サキ:「うまくないよ……。でも、わかる!」

エミ:「見どころは、通常は非公開の三門さんもんを再現展示していること。三門に安置されている釈迦如来坐像(印慶いんけい作、1404年)や、迦葉・阿難立像、千利休立像が初公開されるの」

サキ:「利休の像が初公開って、見応えありそう」

エミ:「特に注目されるのが国宝の牧谿『観音猿鶴図かんのんえんかくず』と国宝『曜変天目ようへんてんもく』(大徳寺龍光院)は前期だけの展示よ。特に国宝曜変天目は、世界で三碗しかなくて、ほかに静嘉堂文庫美術館と藤田美術館が国宝なの。二つの美術館の曜変天目は展示される機会が毎年あるけど、龍光院はこういう特別展で、短期間出展されるだけだから、ぜったい行かないと」

出典:公式:開創700年記念 特別展 大徳寺(東京国立博物館)


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