NHKBSプレミアムの「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」の2回目、60年代を見ました。
初回について、わざわざ厳しめに感想を書きましたが、それは、面白い内容や企画ゆえに、毎週一気に放送してほしいという、いわば褒めちぎりの評価でした。
そして期待して見た2回目。
がっかりしました。
内容がひどかったのです。
まず、看板に偽りあり、です。「世界サブカルチャー史」で、全然ありません。「ハリウッド名画で語るアメリカ戦後史」というタイトルだったら、なんの問題もないです。
つまり、風呂敷だけ大きく広げておいて、たった二人のアメリカ人が自分の思い出を映画を通じて、そのストーリーを説明しているだけなのです。
映画(ハリウッドかつ大ヒット映画ばかりなのでそもそもサブカルチャーと言えないものばかり)を切り口にするのは、まだ良いのです。
番組の両輪は、映画映像と当時の映像なのですが、アポロ宇宙船、ケネディ大統領、ベトナム戦争、モハメド・アリ、ビートルズ、と、どこがサブカルチャー?!というメインストリームの歴史や政治、文化ばかり。挙げ句に、ケネディ大統領当選のときのNHKがニューヨークかで中継?したニュース映像を(ただでさえダラダラ展開なのに)延々と使っていて、「1回目と、2回目、作ってる人変わったの? アーカイブをどこかに丸投げしただけ?」ってくらいの酷さでした。
もう一度言いますが、「ハリウッド名画で語るアメリカ戦後史」なら、全然良い番組だと思います。
最大のガックリは、冒頭に「60年代のサブカルチャーはセックス&ドラッグ&ロックンロール」と定義付けておきながら(たぶん、正しいんでしょう)、セックスとドラッグについて、ほとんど触れないで1時間半が終わるところです。
キューバ危機なんかについてのくだりは、今のウクライナなこともあり、非常に関心を持って見たのですけど、サブカルチャーにとっては、あくまで周辺情報ですよね。番組でのキューバ危機に、セックス&ドラッグ&ロックンロールは全くありませんでした(そもそもあるのかどうかもわからんけど)
後半飛ばしながら、他のことしながら見るようになったので、もしかしたら以下のことは、私が誤りかもしれませんが。
信じられないことに、60年代のサブカルチャーの番組なのに、アンディー・ウォーホルが出てこないんですよ!
前半、核戦争危機で市民がスーパーで「キャンベルスープ」を買い占めてる映像が流されて、「こるはウォーホルへの伏線?」と思っていたら、全く回収なし。
この1点だけでも、いかにこの番組が、「世界サブカルチャー史」というタイトルとズレているかが分かるでしょう。
次の70年代は6月の放送です。また「アメリカ人のインテリ高齢男性二人がハリウッド人気映画を自分語りで振り返り、当時のニュース映像アーカイブをちょいちょい差し込む1時間半」なら、その先は見ることはないでしょう。
端的に言うと、今回はウイキペディアを読んでいるような感じでした。
かなり期待してるからこそ、かなり厳しい感想になりました。
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