国宝 無著・世親菩薩立像 運慶が彫り出した鎌倉肖像彫刻の極点

興福寺北円堂の無著・世親像は、運慶が手がけた肖像彫刻の傑作として名高い一対です。学僧の像でありながら驚くほど人間的で、骨格や表情にまで踏み込んだ観察の深さが、見る者を圧倒します。

基本データ

名称 無著菩薩・世親菩薩立像
よみ むじゃくぼさつ・せしんぼさつりゅうぞう
指定 国宝
分野 彫刻
作者 運慶
時代 鎌倉時代
形式 立像一対
所蔵・管理 興福寺 北円堂
所在地 奈良県奈良市登大路町48
公式参照 興福寺ホームページ

見どころ

エミ

サキちゃん、この無著・世親像はほんとうにすごいの。高僧の像なのに、理想化しすぎず、ちゃんと“人間の顔”として立ち上がってくるのよ。


サキ

運慶がただ聖者を作ったんじゃなくて、思想家としての個性まで彫り出してる感じなんだね。肖像彫刻としてかなり強い。

エミ

そうなの。頬や口元、目のまわりの表情まで細かく違っていて、無著と世親が別々の人物としてきちんと存在しているの。見比べるのが本当に面白いわ。

サキ

一対である意味が大きいんだね。同じ系譜の僧でも、人物差をしっかり出しているのがすごい。

エミ

うん、しかも北円堂の中で見ると、弥勒仏坐像を中心にした空間の知的な緊張感がぐっと増すのよ。彫刻としても空間構成としても一級品だわ。

サキ

単なる名作じゃなく、北円堂全体の解像度を上げる像なんだね。運慶作品の中でもかなり特別だ。

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