アジサイがあんまり好きではなかった

梅雨を前にしてアジサイの季節。

綺麗な密集した青い花を咲かしている。

私はずっとこのアジサイを好きではなかった。嫌いでもなかったが。

なぜか。最近、ようやく分かった。

散り際が「醜い」のだ。桜のようにさっと散らず、美しかった過去を引きずるように、グジグジになり、色褪せ、梅雨の雨の中で、衰えていくからだ。

年を取り、見た目が衰えていくことに怯えて、それを体現するアジサイを見て

「好きでない」と避けていたのだろう。

今年、アジサイの枯れる様までじっくり見て、受け止めようと思っている。アジサイはそんな感情移入する傍観者のことを気にせずに咲き誇り、そして朽ちていくだけなのだが。

アジサイの語源は、複数ある。(下は小学館の『日本語源大辞典』より引用)

「あじ」は集まる、「さい」は青色(真藍で読みはさあい)が有力らしいが、2番目の「アヂ」は「褒める」と言う説が今の気分にはすっきりくる。

さあ、街に出て、アジサイを褒め、自分も褒めよう。

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