海や離島の帰属は現代の東アジアで最大の懸案事項です。
尖閣諸島、竹島、北方四島…。
特に北方四島のうち、過去にソ連が返還を条件付きで認めていた歯舞諸島、色丹島の2島については、安倍首相とプーチン大統領のトップの決断で一気に動く可能性が出てきています。
現実問題として、返還したら、アメリカ軍の基地置かれた、なんてなったら、ロシアのメンツは丸つぶれなので、100年間秘密指定の「秘密協定」とかを結ぶ交渉中なのでしょうね。
両国の実利はエネルギー問題。北海道地震で課題が浮き彫りとなりました。
経済的には漁業権くらいしか影響がなかった過去の北方領土返還と違い、現在はもっと大きなエネルギー問題に直結する可能性が高まってきたことで、ようやく一部でも返還が決まるかもしれません。その場合、地政学や歴史、様々な報道から想像すると、以下のようなストーリーが進んでいきそうです。
まずは、天然ガスのパイプラインを北方四島経由で設置。費用はもちろん日本が出します。メンテナンスの雇用はロシアが確保。
極寒の地に移住する日本人もロシア人もまずほとんどいないので、ロシアが手配して北朝鮮の労働者が働くということになるので、日本側も経済制裁の裏で北朝鮮とのカードを握れます。(握られるという面ももちろんある)
パイプラインと並行して、送電網が構築されます。
日本企業が出資して、択捉島に、巨大な火力発電所を作ります。需要はもちろん北海道にしかありません。
一度、「苫小牧原発をさらに増設したい」と民意に問いますが、これはワザと否定されることを狙ってます。民主主義のデメリットが活用されます。
原発が建てられない、稼働できないなら仕方がないと、択捉島から電気を持ってくることが日本でも認められていきます。
ロシアから安い電気が北海道経済を潤して行くと、択捉島を返せと思わなくなります。「ロシア領択捉島内の(主に北海道の会社や謎の携帯系ファンドが出資)日本企業」がエネルギー的にも税金的にも北海道を支えているからです。
それを見て、アメリカも日本に石油(シェールガス)を売りたくなります。
日本は石油やエネルギーがストップされなければ、いくら高くてもいいので、ロシアとアメリカからのエネルギー輸入のルートが太く開かれれば、勝ちです。
さてどうなるでしょうかね。
離島の所属、三河と尾張の場合
日本国内でも離島がどこに所属するのかは、歴史的に動きがあります。
地図で見るととなりの三河湾に浮かぶ3島は、北の佐久島は三河地方の西尾市。
中と南の日間賀島と篠島は尾張地方の南知多町の所属です。
古代の平城京跡出土木簡(8世紀)ではこの3島は、三河国の所属でした。
海の民の事情か、陸の政治の事情か。
いつからか、別の「国」に分かれてしまったのです。
海の事情で見れば、下の地図を見てわかるように、これらの島は、自動車交通網ができる戦後以前は、経済、人的に、名古屋のある濃尾平野よりも伊勢に近いことがわかりますよね。
奈良文化財研究所のサイトではこれらの島を「天皇専用の島」と紹介しています。三河国内で、天皇に海産物を贈る、いわゆる今の「天皇家御用達」を出す生産地ですが、天皇専用というのは言い過ぎかもしれませんね。
島が「動く」時、その背景には大きな時代も動いています。
文・あまなつ
この記事へのコメントはありません。