ブラタモリ京都東山編で比叡山と大文字山の2つの山稜が白砂の日本庭園を作ったという話

2018年4月28日夜のNHKブラタモリ「京都・東山編」面白かったですね。

京都盆地と琵琶湖の間にある山地の火成岩(マグマが隆起して地上にでて冷えて固まった岩)が浸食して、京都盆地に白川で流れていった白い砂。
この砂が、室町時代頃から、京都の禅宗の寺院(世界遺産の銀閣寺など)で、枯山水の庭園の白砂として使われるようになったんだって!

さっそくツイッターでは、プロ地理リストな方たちが解説してくださっています。

ところで、番組で出てきた地理用語「ホルンフェルス」です。

地下からマグマが隆起してきた際に、地上(海中とかかもしれないけど)にあった別の地層と接触して、混じり合って、強固な岩石に変成したものだそうです。、冷えて固まった火成岩の周縁部だそうです。

金属を混ぜると合金となって強度を持つことと同じ理屈でしょうか。

それはともかく、「ホルンフェルス」と聞いて、ファンタジーにでてくる想像上の小人「ホムンクルス」が頭に浮かんだのはわたしだけではないはず?

以下は「日本大百科全書」(平凡社)から、ホルンフェルスとホムンクルスの項目を引用します。

ホルンは「牛の角」という意味のドイツ語で、京都盆地から見た比叡山(北)と大文字山(南)がちょうど牛の角ようになっていて感動です。

ホルンフェルス(hornfels)

接触変成岩ともいい,接触変成作用をうけた変成岩のこと。接触変成作用で再結晶した岩石は多くの場合,片理や片麻状組織をもたない。またホルンフェルスに含まれている再結晶鉱物は互いに入り組んでいたり,互いに他の鉱物を包みこんだりしている。このためこの変成岩は塊状緻密(ちみつ)で非常に硬い。また,接触変成作用をうけた岩石はしばしば特有な縞模様ができる。これは熱源である貫入火成岩体から大量の水分などが周囲の岩石に供給され,その水分中に岩石の成分が溶けこんだり,水分から岩石に成分が付け加わったりすること(交代作用という)によって形成されるらしい。このようなホルンフェルスをところによっては虎岩と呼んでいる。

ホムンクルス(homunculus)

ラテン語homo(人間)の指小形で〈小さな人〉の意。解剖実験用の人体模型を指すほか,とりわけ魔術師が人工的に造り出すと考えられた人造人間に対して使われる。その方法に関するもっとも有名な記述は,パラケルスス著とされる《物の本性について》に見られる。人間の精液を蒸留瓶に密閉し腐敗させた後,馬の胎内と同温度にして人間の血でこれを養うと,一定期間を経て五体完全な小人が誕生するというのである。ルネサンスの自然魔術の系譜を踏むこの人間造出は,小宇宙(実験室)の中で原物質の死(腐敗)を通じて無垢(むく)の原人〈アントロポス〉を生む,死と復活の密儀思想を背景にもつ。したがってそれは,卑金属が死の関門をくぐった後黄金として蘇生すると考える錬金術の哲学と密接な関係にあった。いわゆる〈賢者の石〉の象徴にホムンクルスがしばしば用いられたのは,そのためである。これは文学にも深い影響を及ぼし,ゲーテの《ファウスト》2部2幕には,ホムンクルスが登場して活躍する。

 

 

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