ワールド・クラスルーム展で購入したポストカード

現代アートを学べる「ワールド・クラスルーム」展が森美術館で開かれています。

気になる作品はあまたありましたが、購入したポストカードです。

アイ・ウェイウェイ《漢時代の甕を落とす》は歴史を愛する人間として、めちゃくちゃショックでした。ただ、心に刺さる、ざわざわして、社会問題を認知させるという現代アートとしては忘れられない作品です。

アイ・ウェイウェイ《漢時代の甕を落とす》1995/2009 ラムダプリント 森美術館蔵

たとえば、古いもの、文化財は守らないといけないと人よりも強く思っている人間ですが、では、開発したときに発見された遺跡をすべて保護しないといけないの?と言われると、うーんとなります。では、遺跡は壊してよくて、ものは壊してはダメという線引きは?となると、ますますうーんとなります。

(新しければ壊していい?というと、もちろんそんなことはなく、昨年は新潟の大地の芸術祭で、修学旅行の中学生が現代アートを意図的に壊してニュースになりました。果たして彼らと中国のこのアーティストの違いは?中国人のアーティストもこのときはアーティストというより、カメラの連写機能を試しただけで、文化大革命の暗喩とかは後付けであると説明されてました)

 

では、古いものは壊してはダメとして、無形の古い価値観はすべて守り続けないといけないの?と問われるとまたうーんとなります。

この写真は、中国では近年まで認められていなかったLGBT、とくに中国人のトランスジェンダー(女装)を撮影した一連のシリーズのひとつです。写真家が最初に撮ったときは日陰ものだったのが、数年後には女装が社会的にも認められたという、日本と同じような流れがありました。

中国の現在の権利主義的な流れからすると、また近い将来、彼女らトランスジェンダーは揺り戻しでまた日陰者になる恐れもありそうです。

菊地智子《鏡の前のグイメイ、重慶》(「I and I」シリーズより)2011 インクジェット・プリント 森美術館蔵

ツァイ・チャウエイ《豆腐にお経》2005 ビデオ、サウンド 2分 森美術館蔵

  • コメント: 0

関連記事

  1. 雪舟は室町時代の草間彌生だった 根津美術館「将軍家の襖絵」感想

  2. 昭和33年(1958年)2月26日 日本画家・横山大観が89歳で亡くなる

  3. 国宝手鑑「見努世友」と古筆の世界 出光美術館

  4. 茶の湯展(京都国立博物館)で見た国宝18点すべての感想

  5. 柴田是真と能楽展(国宝能楽堂資料展示室)の感想

  6. 「国宝 東京国立博物館のすべて」に展示されているすべての国宝について感想【その1】

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。