【2026年11月6日(金) オフィス街のカフェ 朝】
エミ:「きのうは、書道がユネスコの無形文化遺産に登録されるよう勧告されたっていうニュースがあったわね。それは別の記事にまとめたから、そっちを読んでね。今日は書道にちなんで、筆で書かれた手紙の話から始めるわ。トップは、広島県三原市で、小早川隆景の書状が400年ぶりに『再配達』されたっていうニュースよ」
サキ:「再配達? 宅配便みたい(笑)」
1 広島・三原の仏通寺に、小早川隆景の書状を400年ぶりに「再配達」 資料館で12月27日まで特別公開
サキ:「小早川隆景って、前に太宰府天満宮の御本殿を建て直した人として出てきたよね」(11/3文化財ニュース)
エミ:「そう。地元の三原では、三原城を築いた人として知られているの。毛利元就の三男で、毛利家を支えた武将よ」
サキ:「その隆景の手紙が、どうして再配達なの?」
エミ:「隆景が16世紀の後半に、三原市にある仏通寺に宛てて出した書状があるの。本当はお寺に伝わっているはずなのに、いつの間にか外に出てしまって、いまは北広島町の個人の方が持っているんですって」
サキ:「お寺に届いてないことになってるんだ」
エミ:「それで三原市の教育委員会が『届いていなかった手紙』に見立てて、『再配達の儀』を考えたそうよ。11月4日に、裃姿の職員さんたちが、実物をお寺まで届けたんですって」
サキ:「裃で配達って、すごい本気(笑)。で、手紙にはなんて書いてあったの?」
エミ:「茶室に使う小さな竹が、子院にあったら10本ほど仕立ててほしい、っていう内容みたいね。それを受けて、お寺の宗務総長さんが、境内で採った竹を差し出したそうよ」
サキ:「400年越しに注文の品が届いたんだ! 隆景さんもびっくりだね」
エミ:「お茶にまつわる手紙といえば、前に紹介した千利休の書状もあったわね。徳川家康の重臣・榊原康政に宛てたとみられる手紙で、富山県の高岡市立博物館で12月20日まで公開されているわ」
サキ:「会えなかったおわびの手紙だよね」(10/6文化財ニュース)
エミ:「そうそう。隆景の書状のほうは、三原市歴史民俗資料館で12月27日まで特別公開されているわ」
サキ:「利休の手紙は12月20日まで、隆景の手紙は27日まで。年末は戦国の手紙めぐりもいいかもね」
出典:読売新聞/朝日新聞(千利休の書状)
2 平清盛の福原京「御所南大路」とみられる道路跡、初めて確認 神戸・祇園遺跡で7日に現地説明会
サキ:「次は平清盛! 神戸の福原京って、清盛が都を移したところだよね」
エミ:「そう。1180年に都を移したんだけど、半年ほどで京都に戻ってしまった、幻の都なの。その福原京の主要な道路の一つ『御所南大路』の一部とみられる跡が、神戸市兵庫区の祇園遺跡で見つかったんですって」
サキ:「どのへん?」
エミ:「兵庫区下三条町、旧平野小学校の跡地のあたりよ。神戸市によると、福原京の主要道路がはっきり見つかったのは初めてなんですって」
サキ:「初めて! どんな道だったの?」
エミ:「幅は12〜13m、長さ約50m。平らな土地が北東から南西へまっすぐ伸びていて、盛り土をして整地した跡や、両側に並んだ自然石もあったそうよ」
サキ:「幅12〜13mって、いまの片側2車線の道路くらいあると思うよ。かなり立派な大通りだね」
エミ:「御所南大路は、貴族の日記にはあると書かれていたんだけど、これまで街並みの区画を示すはっきりした跡がなかったの。兵庫県立考古博物館の館長さんも、今も残る古い道との位置関係と合わせて、街区の構成を復元できる、とコメントしているわ」
サキ:「幻の都の地図が描けるようになるかもしれないんだ。清盛がどんな都を作りたかったのか、見えてくるといいね」
エミ:「現地説明会は11月7日の土曜日、午後1時から3時まで。参加は無料で、予約もいらないそうよ」
サキ:「清盛が歩いたかもしれない道に、立ってみたいなぁ」
出典:神戸新聞NEXT/公式:神戸市 文化財課の現地説明会資料
3 奈良・平城京跡で道路の交差点と橋脚、奈良時代後半の宅地 7日に現地説明会
エミ:「道路つながりで、次は奈良の平城京よ。奈良県立橿原考古学研究所が、平城京の南のほう、いまの奈良市八条2丁目で、東西と南北の道路が交わる交差点を見つけたの」
サキ:「交差点まで分かるんだ」
エミ:「東西の道路は幅4mで、両側に側溝があって、約150mにわたって確認できたそうよ。南北の道路は、その側溝で路面が途切れていて、側溝を渡る橋の橋脚とみられる杭が9本出てきたんですって」
サキ:「排水の溝と通る道をちゃんと分けて、橋で渡ってたんだね。都市の設計がしっかりしてる」
エミ:「北側の宅地からは、小さな建物の跡9棟や井戸の跡6基も見つかって、下級役人が暮らしていたかもしれないそうよ。現地説明会は、こちらも7日の午前10時から午後2時までね」
出典:読売新聞/奈良新聞/朝日新聞/公式:橿原考古学研究所 平城京左京六条三坊 現地説明会のご案内
4 愛知・刈谷城跡で江戸時代の石垣より古い遺構 7日に現地説明会
サキ:「刈谷城ってどこ?」
エミ:「愛知県刈谷市の亀城公園にあるお城の跡よ。石垣や隅櫓の整備に合わせた発掘で、これまで見つかっていた江戸時代の石垣の跡より古い遺構が確認されたんですって」
サキ:「お城の下から、もっと古いお城が出てきたってこと?」
エミ:「それを7日に、市の歴史博物館の学芸員さんが説明してくれるそうよ。午前10時と午後2時の2回で、雨なら15日に延期ね」
サキ:「7日は現地説明会が三つも重なってるじゃん。遺跡好きには忙しい土曜日だね」
出典:読売新聞/公式:刈谷市歴史博物館 刈谷城跡発掘調査現地説明会
5 宮城・仙台城の大手門周辺で、二の丸の能舞台の楽屋跡とみられる礎石 15日に見学会
エミ:「次は仙台城(日本100名城)。大手門の復元に向けた調査で、建物の礎石が見つかって、江戸時代の絵図と比べると、二の丸にあった能舞台の楽屋の跡かもしれないんですって」
サキ:「伊達家の能舞台か、楽屋も立派そう」
エミ:「明治以降に二の丸に置かれた、陸軍第二師団の本部の区画とみられる石組みも出てきたそうよ。見学会は11月15日の午後1時半から3時半まで、申し込みはいらないわ」
出典:公式:仙台市 仙台城大手門周辺の発掘調査現場見学会を実施します
6 京都・京丹波町の重文「渡邊家住宅」、かやぶき屋根のふき替えが完了
エミ:「最後は京都府京丹波町の渡邊家住宅。江戸時代中期の民家で、国の重要文化財なの。平成13年以来の全面ふき替えを含む、かやぶき屋根の工事が終わったんですって」
サキ:「かやは自然の素材だから、何十年かで傷んでくると思うよ。四半世紀ぶりなら、ちょうど替えどきだったのかも」
エミ:「費用は、企業版ふるさと納税と、ふるさと納税型のクラウドファンディングでまかなったそうよ。丹波地方を代表する民家なの」
サキ:「みんなの寄付で新しい屋根になったんだね。いつかは見に行ってみたいな」
出典:京都新聞/公式:京丹波町(PR TIMES)
エミ:「というわけで、今日は6本。400年ぶりの手紙に、幻の都の大通り、お城にかやぶき屋根まで、盛りだくさんだったわね」
サキ:「7日の土曜日は、遺跡めぐりで忙しくなりそうだね」
エミ:「私もサキちゃんに書状を書いて、400年後に再配達してもらおうかしら」
サキ:「普通にLINEして」


この記事へのコメントはありません。