2004年上期の131回芥川賞に選ばれたのは、モブ・ノリオさんの「介護入門」でした。
モブさんは、これがデビュー作での受賞とのこと。
ストーリーは、20代後半のニューヨーク帰りのラップカルチャーの影響を受けた若者が、大好きな祖母を自宅介護している、と言うもの。介護の辛さをラップ調で、マリファナ中毒ということもあって、いろんなところに話が飛びながら、とにかく大変な介護を語り続ける。
21世期の芥川賞全部読むを初めて、これほど苦痛な読書はなかった。とにかく一段落が長い。27文字詰めで100行くらい改行なし。原稿用紙7枚文字がびっしりと言うことです。
正直読み通す気もなくなりました。途中からただ文字面をさーっと読み飛ばすだけ。なので、実は途中ですごく面白い部分や鮮烈な文章があったかもしれませんけど、それを探そうと言う意欲は持てませんでした。
21世紀は、ラップがロックに代わって世界的な音楽シーンの中心になっています。そう言う点では、日本の純文学もその潮流に乗ろうととしたのかもしれません。そうだとしたら、審査委員の世界のアートシーンの流れを感じとったのだとしたら、それはそれでさすがと思います。
奈良の田舎、家族介護と言う日本的さと、ラップとマリファナという海外っぽさの切り口の掛け算が目新しかったのでしょう。
ただ、物語としては全く面白くありませんでした。
前回の綿矢りささんの「蹴りたい背中」は星2つと辛めにしちゃいましたが、「介護入門」の後に読んだら、その読みやすさにもっと評価を上げていた気がします。
評価は初の星一つ
まとめると
テーマ介護、ラップ
歴史テーマなし
地域奈良
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