【国宝 刀剣】金銅荘環頭大刀拵・大刀身 (高知県・小村神社蔵) 年に1度公開の貴重な姿が動画でも

国宝「金銅荘こんどうそう環頭かんとう大刀たちこしらえ大刀身たちのみ」 (高知県・小村おむら神社蔵)

国宝 金銅荘環頭大刀拵・大刀身とは

高知県高岡郡日高村の小村おむら神社に伝わるご神体。
古墳時代に造られた伝世品(発掘した出土品以外)としては日本最古の刀剣。各地の古墳で出土する刀と同様に、持ち手が環頭かんとうであるところが最大の特徴です。デザインのポイントは金銅製の「双龍銜玉こうぎょく」の環頭と「倒卵形」のつば。平安時代に確立する刀身の反った「日本刀」とは違い、直刀です。

高知県日高村教育委員会のHPより

刀身は長さ68.3センチ、拵えは鞘の長さ92.0センチ、柄の長さ19.4センチ。それぞれの制作年代も同時期。

古墳時代からの伝世品で唯一の国宝刀剣

拵えと刀身がともにそろっているのは平安時代の刀でも珍しく、おそらく1400年にわたり、現地で古墳時代のものが伝えられてきたのは、日本でも例が少なく、極めて貴重で、国宝の伝世品の刀剣では唯一です。(飛鳥時代では四天王寺に2振りの国宝が伝世、出土品では埼玉県のさきたま古墳群出土品など)
1955年に専門家の調査で古墳時代の刀であると判明、翌56年に重要文化財、58年に国宝に指定されました。刀身はさびていたが新たに研ぎ直したところ、かなり良い状態であることがわかりました。

土佐国二の宮 小村神社とは?

高知市の西に位置し、水質全国1位の仁淀川に面する同社は、土佐国の二の宮。社伝によると、聖徳太子の父親である用命天皇2年(587年)の創建で、当時この地を支配していた高岡のおびとと日下氏が、先祖の国常立命(『日本書紀』において初めての神とされている)を祭ってこの環頭大刀を御神体としたと伝わっています。

歴史的には、『日本三代実録』で平安時代の貞観12年(870年)に従五位上を授けられ、土佐国二の宮として隆盛しました。(一の宮は土佐神社=高知市)

この国宝を見るには

小村神社のご神体で通常は非公開ですが、毎年11月15日の小村神社の大祭で、一般公開(拝観料500円)されます。ただし、午前10時~午後3時で、雨天の場合は中止になるようですので要注意です。同神社の電話は0889-24-7466 。

日高村の公式Youtubeでその貴重な姿を見ることができます。(2021年から配信)

2008年(平成20年)3月15日に、神社の向かいにJR小村神社前駅(高知駅から土讃線で約30分)、が開業し、公共交通機関でのアクセスが便利になりました。開業の際は特別拝観も行われました。
(近くの「村の駅 ひだか」で復元レプリカが展示されているようです)

同社は平安時代後期の木造菩薩面2面(重要文化財)も所蔵しています。こちらも国宝と同じ11月の大祭の際に拝観できます。

木造菩薩面 二面(日高村教育委員会のHPより)

文化財指定データ(国指定文化財等データベースより)

名称 :{金銅荘環頭大刀拵/大刀身}
ふりがな :こんどうそうかんとうたちこしらえ/たちのみ
員数 :1口
種別 :工芸品
国 :日本
時代 :上古
寸法・重量 :総長119.0 柄頭長7.4 同幅10.6 柄長19.4 同幅3.8~3.2
鞘長103.2 同幅3.3~2.8 鐔径5.6(㎝)
中身長68.3 元幅2.9 先幅2.3 鋒長2.0 茎長11.2強 (㎝)
品質・形状 :柄鞘共に木地に金銅板金を張る。柄頭は厚み約一分の両面に小刻を施した金銅板金の環にして、内側に相対して珠をくわえる双龍を透彫にし、柄頭の脚を木芯に差し込み目釘で留める。
指定番号(登録番号): 00223 枝番 : 00
国宝・重文区分 :国宝
重文指定年月日 :1956.06.28(昭和31.06.28)
国宝指定年月日 :1958.02.08(昭和33.02.08)
所在都道府県 :高知県
所有者名 :小村神社
解説文:環頭大刀の中で本品のように外環が扁平な素環となり、双龍の表現が著しく文様化され、板金透彫となったものは、倒卵形の鐔と併せて、大陸の様式が次第に受容されたものと見え、恐らく古墳時代末頃の製作と考えられている。この大刀は社殿の奥に秘められたきた伝世品であることも貴重。中身は銹びて形体が崩れていたものを新たに研ぎ直したもので、比較的健全であり、地鉄の鍛えもよく、刃文も素朴である。
国指定文化財等データベースより)

・国宝 工芸品《刀剣》カテゴリー
・国宝 工芸品《刀剣》カテゴリーの時代別 1位(最古)
・国宝 工芸品《刀剣》カテゴリー 古墳・飛鳥時代(3件)
・国宝 高知県 (3件)(ほかは豊岡町の豊楽寺薬師堂、県立歴史民俗資料館蔵の古今和歌集巻第廿(高野切本) )
・国宝 総件数 1131件(令和4年5月1日現在)
・国宝 工芸品 254件(令和4年5月1日現在)

*参考文献・資料 『国史大辞典』(吉川弘文館)、日高村教育委員会HP

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