浮世絵の代表的な作品、菱川師宣の「見返り美人図」は、東京国立博物館のシンボル的な存在で超有名ながら、実はまだ重要文化財にも指定されていません。
今年度の「未来の国宝」では一番に登場し、秋の東京国立博物館のすべて展ではトリを飾りました。
浮世絵の創始者とも言える菱川師宣(1630?〜1694)なのになぜ?
それは、この作品が戦後に有名になったから、かもしれません。
昭和23年(1948年)に記念切手1号がこの見返り美人だったのです。
なぜ重要文化財になれないのか?それは、描かれているのが主に悪所と呼ばれる吉原などの「風俗業」を描いているからかもしれません。
平成や令和では、そんなことが指定の障害になりようがありませんが、昭和は格式があったのかもしれません。なにせ、江戸時代には同じ悪所であった演劇関係(つまるところ歌舞伎)は、明治以降に庶民の風俗から「伝統文化」へとクラスアップに成功しました。ですので、歌舞伎役者の錦絵は重要文化財になってるものも複数(写楽など)あります。
もうそろそろ見返り美人も重要文化財になっても良いのではないでしょうか?
中島みゆきの「見返り美人」もサブスク解禁になったことですし。
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