【書評】日本共産党の裏部隊「第二事務」とは?篠原常一郎『日本共産党噂の真相』書評

日本共産党噂の真相

Youtubeは、面白い芸人ばかりが人気というわけではなく、非常にカテゴリーが細分化されている。

例えば、北朝鮮ウォッチャーとしては、龍谷大の李相哲教授の「李相哲TV」(チャンネル登録者数10万人)、元共産党の職員で今や保守論客の篠原常一郎氏が「古是三春 篠原常一郎」(チャンネル登録者数13万人)と、多くの登録者を集めている。

篠原常一郎さんが元日本共産党国会議員秘書として、2009年に出した「いますぐ読みたい 日本共産党の謎」(徳間書店)が絶版になっているため、加筆修正して2020年に出版したのが、この『日本共産党 噂の真相』(育鵬社発行、扶桑社発売)だ。

育鵬社といえば、右寄りとしてリベラル層から網批判を浴びている歴史教科書で有名な出版社。当然、、共産党に批判的な内容だ。

聞いたことのあるような話しも多かったが、面白かったのが、裏部隊「第二事務」という秘密組織。幹部の警護のほか、党員の動向調査を行う組織で、全世界の共産党には必須の秘密組織といえるが、第二事務という名前や、その具体的な動きは初耳だったので、なかなか興味深く読んだ。

武術を磨きながら、軍歌の替え歌を歌って訓練をしていたのだそうだ。「軍歌」である。なかなかシュールだ。
訓練の場となった都内の武道場は閉鎖されているようで、令和の現在は、この秘密組織がどうなっているかは不明だ。共産党は高齢化が深刻なようで、もしかしたら現在はほとんど維持できていないのかもしれない。

さっと読める共産党研究としては、おすすめ。(キンドル版もあり)

関連記事

  1. ぐぐるな危険!発禁となった殺人遺体の写真集が国会図書館でインターネット公開

  2. 深緑野分『ベルリンは晴れているか』の書評や名言、まつわる史実

  3. 明治15年(1882年)3月20日 上野博物館(後の東京帝室博物館、現在の東京国立博物館)が開館

  4. ぶら美で復習、空也上人と六波羅蜜寺 運慶の仏像は31体しか現存しない

  5. 砲火の下を若いドイツ将校に身を守られてハイヒールで走った杉原千畝の妻の回顧 書評『六千人の命のビザ』

  6. 道化として生きている社会人のための小説『半沢直樹 アルルカンと道化師』(池井戸潤)

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。