柴田是真と能楽展(国宝能楽堂資料展示室)の感想

柴田是真と能楽展(国宝能楽堂資料展示室)へ行きました。
是真は日本画と工芸のハイブリッド作家。江戸後半から明治期にかけては江戸ナンバーワンの作家だったそうです、知らんけど。

絵画については漆絵がスゴかったです。漆で絵を描いてしまうという誰にも出来ない技で、この漆絵の技法は1代限りだったそうです。現代なら、特別御朱印とかで漆絵あればいいのにと思いました。

絵画では、完成品はあまり展示されていなく、下絵やスケッチがほとんどでした。だが、それがいい!長谷川等伯の松林図屏風も下絵(か手元に置いておく用)用の安めの紙に描いたものであるのは有名です。本画よりももしかしたら良い作品かもしれない、それと同様なことが是真にも言えそうです。

工芸についても、かなり面白かったです。トーハクの常設で印籠や根付がズラッと並んでいても、正直、その優劣は分かりませんでした。しかし、今回の是真は間違いなく、工芸の技術とアイデアの新規性が抜きん出た作家ですので、これこそがトップオブ江戸工芸と、じっくり鑑賞して、その技を堪能することができました。
印籠、文箱、硯箱、櫛とどれもセンスに満ち溢れていました。
展示は、2022/12/23日(金)まで。なんと入場無料。食堂も都心にしてはまぁまぁ安いのにしっかりとした料理でした。大満足です。

ステーキ丼(味噌汁、ドリンク付き)950円

  • コメント: 0

関連記事

  1. KGBの前身ソ連の秘密警察組織「NKVD」とは?自国民数百万人を粛正したスターリン秘史、ネイマーク著『スターリンのジェノサイド』の書評とまとめ

  2. 砲火の下を若いドイツ将校に身を守られてハイヒールで走った杉原千畝の妻の回顧 書評『六千人の命のビザ』

  3. 大蒔絵展(三井記念美術館)の国宝7件すべてを見た感想

  4. 北宋書画精華の予習メモ 顔真卿展、王羲之展の図録から 

  5. 天明8年1月30日(1788年) 京都で大火、内裏や二条城の本丸御殿が炎上

  6. 昭和18年(1943年)3月19日 洋画家の藤島武二が77歳で亡くなる

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。