【文化財ニュース10月28日】鹿児島の絶海の孤島で寧波瓦のなぞの八角形基壇発見!など5本の話題

【文化財ニュース10月28日】黒島で寧波瓦の八角形基壇かなど5本の話題

【2026年10月28日(水) 駅前のカフェ 朝】

エミ:「今日の文化財ニュースは5本よ。トップは鹿児島の島・黒島で見つかった、八角形の建物の跡の話ね」

サキ:「八角形の建物? なんだか珍しそう」

1 鹿児島・三島村黒島の大里遺跡で「八角形の基壇」か 中国・寧波産の瓦を葺いた建物

サキ:「黒島ってどこ? ごめん、聞いたことないや」

エミ:「鹿児島県の三島村にある島よ。私も大里遺跡は初めて知ったわ。鹿児島国際大学の中園聡教授の研究チームが発掘していて、中国の寧波ニンポーで作られた瓦を葺ふいた建物の、基壇きだんとみられる八角形の遺構が見つかったんですって」

サキ:「八角形! 四角じゃないんだ」

エミ:「珍しい形みたいね。平安時代の終わりごろ、南宋様式の寧波産の瓦は、日本では博多や大宰府みたいな九州の要所にしか見られないそうよ」

サキ:「そんな限られた場所にしかない瓦が、島に?」

エミ:「そうなの。しかも、その瓦を使った建物がどんな構造で、瓦がどう使われていたのかは、ほとんど謎だったんですって。記録に残らない日宋貿易の実態を知る手がかりとして重要だとしているわ」

サキ:「記録にない貿易のあとが、地面の下に残ってたってことか。海の上の中継点みたいな島だったのかな」

エミ:「想像がふくらむわね。瓦だけに、まさに“瓦版”級のニュースよ」

サキ:「……はいはい。島の発掘って行くだけでも大変そうだけど、これからどんな建物だったのか分かってくるといいね」

出典(公式):鹿児島国際大学 プレスリリース


2 岩手・住田町の小松洞穴遺跡で弥生時代の人骨、県内2例目

サキ:「弥生時代の人骨って、東北だと珍しいの?」

エミ:「そうなの。岩手県住田すみた町上有住かみありすの小松洞穴遺跡で出た人骨が、新潟医療福祉大などの研究チームの年代測定で、弥生時代のものと分かったんですって。科学的に裏付けられた弥生人骨は、県内では花巻市のアバクチ洞穴遺跡に続く2例目、東北でも福島県の例を含めて3例目だそうよ」

サキ:「東北全体で3例目! ほんとに少ないんだ」

エミ:「いまDNA分析も進めているみたい。渡来系の集団の影響が東北まで及んでいたのかどうか、東北の人のルーツに迫る結果が出るかもしれないの」

サキ:「年代測定にDNA分析って、骨1本から履歴書を読むようなものだからね。技術的にも実はかなりすごいことなんだよ」

エミ:「ふふ、サキちゃんの得意分野ね」

サキ:「結果が出たら、東北のご先祖さまの話がちょっと変わるかも。続報が楽しみだね」

出典:岩手日報


3 福岡県太宰府市の九州国立博物館で「きゅーはくの琉球コレクション」 首里城正殿の復元公開を前に

サキ:「九博で琉球? 沖縄じゃなくて太宰府で?」

エミ:「そうなの。11月に首里城正殿が復元されて公開されるのを前に、琉球王国の歴史と文化を紹介する特集展示が始まったそうよ。江戸から明治のころの琉球王国を伝える文化財が28件並ぶんですって」

サキ:「首里城の公開前に予習できるってことか。いいタイミングだね」

エミ:「会期は12月6日まで。それよりも、同じ九博で10月31日からは特別展『卑弥呼の鏡―三角縁神獣鏡さんかくぶちしんじゅうきょうがヤマト王権をつくった―』も始まるの。……ああっ、三角縁神獣鏡!」

サキ:「出た。今度はなに?」

エミ:「三角縁神獣鏡はね、縁の断面が三角になっていて、神さまや霊獣が表された銅鏡なの。卑弥呼が中国の魏からもらった鏡じゃないかっていう説と、日本で作られたっていう説があって、もうずーっと論争が続いているのよ。各地の古墳から同じ型で作った鏡が見つかっていて、配った側と配られた側の関係が……」

サキ:「うんうん」

エミ:「だからヤマト王権がどうやって各地とつながっていったかを考えるうえで……」

サキ:「……エミちゃん、それは特別展が始まってからにしよ。琉球に戻ろっか」

エミ:「うっ……。そ、そうね。琉球のほうは12月6日までだから、首里城に行く前でも後でも見られるわよ」

サキ:「琉球と卑弥呼をハシゴしたら、太宰府で一日つぶれそう。そのあとに沖縄に行くの。エミちゃんと一緒だと三日かな(笑)まぁ夢に終わりそうだけど」

エミ:「夢だなんて…でも遠いわね。続報に期待ね」

出典:TBS NEWS DIG/公式:国立文化財機構 展覧会情報


4 東京・世田谷の五島美術館で「室町ごころの風景」開幕

サキ:「室町ごころって、なんかいい響きだね」

エミ:「でしょう。東京都世田谷区の五島美術館で、秋の展覧会『室町ごころの風景』がきのうから始まったの。会期は12月6日までよ」

サキ:「12月6日って、九博の琉球と同じ最終日じゃん」

エミ:「本当ね。どんな作品が出るのか、サイトを見てみましょうか。……うーん、連歌懐紙れんがかいしって、なかなかマニアックね」

サキ:「エミちゃんがマニアックっていうくらいだから、相当マニアックだね」

エミ:「……えっ、ちょっと待って! 重要文化財の『瀟湘八景しょうしょうはっけい 遠浦帰帆図えんぽきはんず』、玉澗ぎょくかんの筆で、賛も同じ玉澗。愛知の徳川美術館の所蔵で、前期に展示される予定なんですって。めっちゃいい絵なの。これは必見よ!」

サキ:「エミちゃんの声が一段高くなった(笑)。前期ってことは、早めに行かないとだね」

エミ:「東京で秋の美術館めぐりをする人は、候補に入れておいてほしいわね」

出典(公式):五島美術館 公式サイト


5 岩手・二戸と八幡平の「“奥南部”漆物語」など、日本遺産6件が再審査に

サキ:「日本遺産って、取り消されることもあるの?」

エミ:「そうみたいなの。文化庁が今年度、全国6件の日本遺産を、認定取り消しの可能性がある『再審査』と判定したそうよ。取り消されると国の補助金が打ち切られて、ブランド力が下がって観光客が減ることも心配されているんですって」

サキ:「認定されたら終わりじゃなくて、通信簿があるんだね」

エミ:「その一つが、岩手県二戸にのへ市と八幡平はちまんたい市の『“奥南部”漆物語』。重要文化財の天台寺本堂や漆器など、約40件で組み立てられたストーリーなの」

サキ:「漆の里かぁ。何が足りないって言われたの?」

エミ:「今年の夏の現地調査で、『文化財の間を周遊させる仕掛けが不十分』と指摘されたそうよ。両市は、漆器の歴史を知るツアーなどで連携を強めていく考えなんですって」

サキ:「中身はあるけど、回り方が分かりにくいってことか。ツアーができたら、旅する側としてはむしろありがたいね」

エミ:「そうね。これをきっかけに、漆の里をめぐる旅がもっと楽しくなるといいわね」

出典:読売新聞


エミ:「というわけで、今日は5本。南の島の八角形から、北の漆の里まで、行ったり来たりだったわね」

サキ:「でもエミちゃん、いちばんテンション上がってたの、まだ始まってない九博の『卑弥呼の鏡』だよね」

エミ:「……31日の開幕のニュースが待ちきれないのよ」

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