【オリジナル曲舞台裏】「猿投窯の歌」エミ&サキトーク

オリジナル曲『猿投窯の歌』をYoutubeに公開しました。今回はこの曲の”収録後”の楽屋トークをお届けします。

(収録スタジオ近くの日暮里の喫茶店「ふぇるめーる」、夕方)

エミ:「ふぅ、お疲れさま」

サキ:「私はいつものメロンクリームソーダ」

エミ:(注文をしないでサキの顔をじっとみつめる)

サキ:「な、なに?赤い顔して、熱でもある?」

エミ:(我に返る)「なんでもないわ。ただ」

サキ:「ただ?」

エミ:「サキちゃんの森の精がかわいすぎてぼーっとしていた」

サキ:「も、もうやめてよ。あの衣装、恥ずかしかったんだから」

(マスターが黙ってメロンクリームソーダのクリーム大盛りとダージリンの紅茶を置いていく。注文してないのに、もう完璧に把握している)

エミ:「マスター、ありがとう」

マスター:「……」(軽く会釈して下がる)

サキ:「相変わらずマスター無口だね……毎回頼まなくてもメロンクリームソーダのクリーム大盛り覚えててくれて、うれしい」

エミ:「常連だもの」

「猿投窯の歌」、できあがりました

サキ:「で、改めて——『猿投窯の歌』、無事公開できたね!」

エミ:「うん。なんていうか、作ってよかったって気持ちがすごく強いわ」

サキ:「私も。エミちゃんから歌詞渡されたときから『これは絶対いい曲になる』って予感あったもん」

エミ:「もとのブログは国史跡の小長曽陶器窯跡をピンポイントで取り上げた記事から、「瀬戸もの」へつながる壮大な歌になるなんて」

サキ:「『焼畑工業で300年後に復活!』って記事ね。あれがスタートライン」

焼畑工業で300年後に復活!猿投山麓に点在する古瀬戸の生産基地「国史跡・小長曽陶器窯跡」【愛知・瀬戸】 

エミ:「窯が一度放棄されて、300年後に蘇る——この話、絶対ドラマになるって思ったはいたのよ」

サキ:「『消えて消えて、また灯る』を二人でコーラスで歌ったときは震えたなぁ」

エミ:「あれは降りてきた感じだった」

「さなげ」

サキ:「今回のMV、最初のフレーズが『さなげ』って地名じゃん。漢字だと猿投だけど、ひらがなのテロップが出るじゃない?」

エミ:「うん、あれはひらがな表記にこだわったの」

サキ:「『猿投』って漢字、初見だと読めないよね」

エミ:「東海地方の人にとっては手軽な山登りスポットとして割と有名だけどね。それに歌では『さなげ』って、まず音から入ってほしかったの」

サキ:「猿が投げるっていう漢字よりも、『さなげ』ってひらがなで見ると、急に優しくなるよね」

エミ:「愛知県はこういう当て字っぽい、つまり、いにしえの音の響きが地名に結構残っているの。今度、別の曲のロケで一緒にいく鶴舞(つるま)とか、そもそも『あいち』も『あゆち潟』から来ているの」

サキ:「ストップ、ストップ!エミちゃん、歴史解説始めるとすぐに全部ネタバレで話しちゃうから、とりあえず猿投窯の歌に戻ろう」

エミ:「とにかく、最初にひらがなの『さなげ』を音の質感と合わせたかったの」

サキ:「ふぇるめーるの『ふぇ』みたいなもんだ」

エミ:「(笑)そうそう」

朝焼けと夕暮れの猿投山

サキ:「猿投山の遠景のカットも印象的だった。最初は朝焼け、後半にはタイムラプス的に暗くなっていく。途中には森がなくなってはげ山になった猿投山もあったね」

エミ:「ありがとう。でもこのMVシリーズ通してだけど、あくまでアニメーションなので、方角とかが演出であることを前提に楽しんでほしいかな…。舞台裏トークだからあえて言うけど」

サキ:「ふんふん。この場合はどういうこと?」

エミ:「猿投山は撮影した場所(瀬戸市側)から見ると東側なの。だから冒頭の明け方と夕暮れのタイムラプスが同じような太陽の位置になっているけど、野暮だけど演出です(とカメラ目線)」

サキ:「誰に言ってるの(笑)。正確な言葉だけでは伝えられない歴史の雰囲気を伝えるのがコンセプトのMVってことね」

1番サビ:「燃えて燃えて」

サキ:「なんと言っても見どころは、私たち2人がレトロなライブハウスでアコースティックギターで並んで弾き語りするところ」

エミ:「あの瞬間が私、MV制作中で一番気持ちよかった」

サキ:「フォークソングの王道だよね、一人の弾き語りから、二人のハーモニーになるってやつ」

エミ:「サビの『燃えて燃えて 猿投の夜中に夢入りて』って歌詞のところで、サキちゃんが低いパートを歌ってくれて、声が重なるの、計算じゃなくて自然にそうなった。感動だった」

サキ:「私も震えながらハモってたよ。あの70年代っぽいライブハウスもよかったよね」

エミ:「そう、ふぇるめーるのマスターが紹介してくれた三河島のスナックなんだよね。雰囲気ばっちりだった」

2番のはじまりでようやく出てきた小長曽窯跡

サキ:「実はここまでテーマのはずの小長曽陶器窯跡が出てきてないんだよね。2番に入って、エミちゃんが遺跡の前を一人で歩くシーンが始まって、遺跡の紹介が始まるかと思いきや、万華鏡トランジションからの異世界転生!」

エミ:「だって……。今回のMVで一番やりたかったのがサキちゃんに森の妖精役をさせることだったんだもん!」

サキ:「なんて、よこしまな(笑)。私の衣装はピーターパン風だったけど、映像的にはなんだかジブリっぽい感じがしたよ」

エミ:「だってね、猿投山麓ってけっこう広い範囲で、猿投山と尾根続きの丘陵地帯の西のはずれに、ジブリパーク(旧「愛・地球博」会場)があるんだもん」

サキ:「えー!そうだったの」

エミ:「だからこそ、ジブリっぽくなりすぎないように、サキちゃんの衣装はジブリっぽくないのにしたのよ」

サキ:「そこまで設計されていたとはびっくり(笑)。こだわりが過ぎて、気づかないやつじゃん」

エミ:「こうやって楽屋ネタできたから、いいの」

サキ:「そうすると、言われないとわからないこだわりが万華鏡トランジションあたりにありそうだ」

エミ:「ドキッ、気づいた?」

サキ:「あれ、緑だけど灰色っぽい緑の渦でしょ?普通の万華鏡の彩度じゃないよね」

エミ:「答えは陶器の色『灰釉かいゆう』よ」

サキ:「『かいゆう』(スマホでチャッピー=チャットAIで検索)。9世紀に猿投窯で創出された、緑がかったガラス質の釉薬で焼くと灰色っぽい肌になる!」

エミ:「陶器の性質そのものが、時間トンネルになるっていう演出。アニメ調の現代→幻想の森へ移るのに、ただのフェードじゃ意味が薄いから」

サキ:「現地に行ってるのにその画像をほとんど使わずに、陶器の色をゲートに使って過去に連れていく。贅沢すぎる」

エミ:「これ、MVの仕掛けで一番気に入ってるひとつかも」

サキ:「詩的すぎでしょ」

森の精サキ、登場

エミ:「そうして森に迷い込むシーンね」

サキ:「私の登場!」

エミ:「あの衣装、ロビンフッド×ピーターパン×エルフって感じで」

サキ:「羽根の帽子と光る杖の水晶!恥ずかしいけど楽しかった……」

エミ:「サキちゃん、あの衣装異常に似合ってた。本当に森の妖精が降臨したかと思ったわ」

サキ:「やめてって!」

エミ:「(真顔で)これは公式見解です」

サキ:「(メロンソーダを持ったままフリーズ)」

「私たち人が、森を壊したの!」

エミ:「最大の山場、サキちゃんの妖精と私の森の中での会話」

サキ:「漫画チックな吹き出しで『私たち人が、森を壊したの!』って叫ぶシーンね」

エミ:「あのセリフと漫画の吹き出しはサキちゃんが提案してくれたんだよね」

サキ:「歌詞には書いてないけど、『綺麗な器のその向こうには/痛みも確かにあったんだ』をより具体的にしたかったんだよね。レトロな漫画っぽく、べたべたなセリフで噛み噛みだったけど」

エミ:「セリフは音では流れないから(笑)。抽象的な”痛み”で終わるのを、人類の罪の告白まで踏み込んじゃった」

サキ:「重くなりすぎないように、漫画の吹き出しっていう軽い文法で」

エミ:「そうそう、あれが重さと軽さのバランスとして神がかった演出だったなって」

サキ:「説教臭くしたくないけど、スルーもできない問題だから」

エミ:「環境問題を歌うときの、正解の温度かな。愛・地球博的にも(笑)」

サキ:「(小さい声で)……エミちゃんがあのシーン、本気で泣きそうな顔で告白してたの、私見てた」

エミ:「(少し沈黙)……うん、感情移入して本気で泣きそうだった」

「知ってるよ、でもまた火を灯すよ」

サキ:「で、私の森の精が手のひらに炎を灯して『知ってるよ/でもまた火を灯すよ』って答えるシーン」

エミ:「ここ号泣ポイント」

サキ:「ふふ、号泣ポイントとか言わない」

エミ:「だって号泣でしょ!森の精は、人類の罪を全部見てきたの。森が焼かれて、ハゲ山になって、それでも責めない」

サキ:「『知ってるよ』っていう短いフレーズに、1500年分の慈悲が詰まってる」

エミ:「『でもまた火を灯すよ』が、歌詞の『元禄の世に呼び戻され/もう一度赤く燃え上がる』の歴史と自然との人間のかかわりそのもの」

サキ:「赦しと再生」

エミ:「サキちゃん、あの台詞言ってる時の表情、少し微笑んでたの気づいた?」

サキ:「演技指示だっけ?」

エミ:「ううん、自然に出たって監督さんが言ってた」

サキ:「森の精は怒ってない、怒ることもしない、ただ受け止めるって、勝手に体が表現してたんだろうね」

エミ:「でも、そのことがラストへの伏線にもなるのよね」

古瀬戸の壺、3カットの旅

サキ:「ここが歴史MVとして一番興奮したかも。窯から取り出される瞬間→江戸時代の大名が鑑賞→現代のミュージアムの3カット」

エミ:「ひとつの壺の何百年の人生」

サキ:「エキストラの職人さんたちいい笑顔してるなぁ」

エミ:「会心の出来だったんだろうね」

サキ:「大名たちが目を見開いて、絶賛してる!」

エミ:「ブランドとして確立されてる感じ」

サキ:「そして現代のミュージアムのガラスケースの中に同じ瀬戸ものが並び」

エミ:「私たち二人が鑑賞してる」

サキ:「最後は祈りに近い表情だったよね、撮ってもらった写真見て自分で驚いた」

エミ:「何百年という時を経て、人の手から人の手へ——」

サキ:「それが陶器の人生」

二画面サビ、収録の話

エミ:「最後のサビの『歴史は何度でも動き出す』からの2画面分割!」

サキ:「一人ずつ別撮りだったんだよね。何回も何回も撮り直しでなかなかOKがでなかった(涙)」

エミ:「お互いの声を聴きながら、別フレームで。それを編集で並べる」

サキ:「あれ気づいた人いるかな?1番は同じフレームで一緒に歌っているけど、サビ2では分かれてるって」

エミ:「監督さんのこだわりだった」

サキ:「遠くにいても歌は重なる、思いは重なるっていう」

妖精サキの別れ

エミ:「そして、いよいよラストシーン。森の精が手を振りながらブラーに包まれて消えていく」

サキ:「あの消失シーンのために、2サビを別々に歌わせたんだよね、監督さん。演出の意図が分かったから納得だったけど、何回撮り直したんだか…」

エミ:「ふふふ、よほど大変だったみたいね。私は3回くらいでOKでたけど(ドヤ)」

サキ:「(怒ったふり)もう!現代に妖精はいないんだ!」

エミ:「でも、歌うたびに呼べるよ」

サキ:「……うん、呼べるんだ」

ラストの後ろ姿

エミ:「最後のカット、私が小長曽窯跡を見つめる後ろ姿で終わる」

サキ:「あれ、何も語らないのに、伝わるよね」

エミ:「自然は人間に怒ったりしない。でもある日、突然消えてしまうかもしれない——」

サキ:「現代のフォークソングMVとして完璧な余韻だったと思う」

エミ:「(少し恥ずかしそうに)ありがと……」

締めに

サキ:「ねえエミちゃん、今日の舞台裏トーク、思い切り長くなっちゃったね。本編より長いんじゃない」

エミ:「だって伝えたい話、止まらないんだもの」

サキ:「ここはMVを見て、さらにここまでたどり着いてくれた皆さんへのおまけだから」

エミ:「最後まで読んでくれて、ありがとうございます♡」

サキ:「(メロンソーダの最後のひと口を飲みながら)消えて消えて、また灯る——ね」

エミ:「外がすっかり暗くなったわね。一緒に帰ろう」

制作クレジット

– 🎤 メインボーカル:エミ
– 🌿 サブボーカル:サキ(猿投山の森の妖精)
– 🎵 楽曲・MV制作:Google Flow Music(Lyria 3 Pro / Veo)

### 関連リンク

– 📺 [YouTube動画はこちら](https://www.youtube.com/embed/F3m2Ru8eT0I)

– 📖 原案ブログ記事:[焼畑工業で300年後に復活!猿投山麓に点在する古瀬戸の生産基地「国史跡・小長曽陶器窯跡」【愛知・瀬戸】](https://rekisitravel.com/konagaso/)

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