砂漠のカーリマンは、マスターキートンのミームともなる名回だ。前後2話、第5話のタイトルは「黒と白の熱砂」、第6話が「砂漠のカーリマン」。
最初読んだ当時、驚いたのが、キートンが砂漠にスーツを着てきたことだ。実は、直射日光の砂漠では半袖短パンのサファリルックは危険である、キートンはよく分かっているとなるのだが。
マンガの初出時は、まだノーネクタイのクールビズが存在しなかった頃のことである。スーツなんて暑いの代名詞だったから驚きはなおさらだった。
さて、下の「それどこ」というウェブサイトが2017年に実際に砂漠でスーツを体験している。
https://srdk.rakuten.jp/entry/2017/01/31/110000
なんと、スーツに砂漠は、Tシャツやアウトドアウェアよりも、快適というのは、事実だったようだ。
さて、本題に戻って読み直すと、これは今の中国では発禁だろうということ。ストーリーは、ウイグル問題が中心であり、いやな想像をするなら、この族長はこの(マンガにおける)数十年前の、外国人拉致事件をほじくりだされて、逮捕隔離され、悪いことにウイグル独立思想をもっているので、まず外に出ることはできないだろうという悲しい想像だ。
もちろん出てくる人たちは、みな空想の人だが、同じような境遇の篤い信仰心をもつイスラム教徒のウイグル人たちは、もっとたくさん実在して、中国に今も住んでいるのだ。
読みなおすマスターキートン 第7話「FIRE&ICE」 2巻の1
*この「読み直すマスターキートン」シリーズは、あくまで、フィクションのマスターキートンに対して突っ込むのが目的ではなく、三十年たって、自分が批判的な姿勢を見につけたのかのおさらいです。
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