【書評】『テンセントが起こすインターネット+世界革命』(アルファベータブックス)

日本ではあまり知られていないが、「ウィーチャット」や、スマホゲームの多くを開発するEPICゲームなどの事実上の支配者である中国の超巨大IT企業「テンセント」。その創業者でCEOの馬化騰らが書いた、いわば公式本だ。

読むと、空恐ろしくなる。中国の実力に。共産党が伸びる企業にガッチリ組み込まれているという怖さだけでなく、テクノロジーファーストとプロトタイプ経営の進化の速さのすさまじさ。

ハンコの廃止で騒いでいる日本と比べると、どれだけ中国最先端の企業が、前例をあっさり打破し、「インターネット+」という大目標以外に、レギュレーションが少ないことか。

言うまでもないが、テンセントは、アメリカのGAFAに対比される中国の超巨大企業BATHの一角。日本では、「ウィーチャット」で知られる程度だが、世界では、ゲーム制作の一大スポンサーとして名高い。

バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーエイの4社。ファーエイは、ものを売るだけに、ものの販売をアメリカに封じられて青色吐息となっているが、他の三社はインターネットサービスなので、兵糧攻めにも耐えうるだろう。

テンセントの創業者の馬化騰らが書いている公式本なので、共産党への忠誠がたびたび出てくるのも、ある意味で貴重な本(資料)といえる。香港を上回る都市となった深センのルポ『プロトタイプシティ』(角川書店)と合わせて、実際の中国経済を把握するためには、必読書だ。

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